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散らかった机の上
ライトファンタジー小説になるといいなのネタ帳&落書き帳
Admin / Write
2024/05/19 (Sun) 03:38
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2011/07/10 (Sun) 07:26
 結局、ティナに先日のラングリーとのやりとりの意味を聞いても、いまひとつリームに理解できない答えが返ってくるばかりだった。
ティナの話をまとめると、『青』の対応を頼んだお礼と今後『青』がラングリーを調査したときの対策のために、『雑貨屋の不思議を背負える何か』を渡したらしい。
おそらく魔法だとリームは思うのだが、つまりこの雑貨屋が奇妙な原因は、ティナが何か魔法をつかっているせいなのだろうか。それと同じ魔法を書いた巻物をラングリーに渡したということなのだろうか。
しかし、ラングリーの様子が只事ではなかった。いつも状況を面白がっているようなにやにや笑い(とリームには見える)を浮かべているのに、あんなに真剣なまなざしは初めてみた。これを渡す意味を分かっているのかとティナに聞いていた。ティナが思っている以上の意味が、あの巻物――あるいは魔法にはあるのだろうか。ティナは問題あるとは思わないと言っていたが・・・・・・。
「リーム~! そろそろ時間じゃなーい?」
階段下からティナの呼び声が聞こえてきて、雑貨屋の2階の自室にいたリームは、はーいと大きく返事をした。
前回、ラングリーの塔へ行ってから1週間が経っていた。今回はミハレットがいないといいなぁと思いつつ、リームは魔法語教本をまとめて、1階に下りた。
「お待たせしました」
「準備はできた? じゃあ、送るわよ。迎えはいつも通り4刻くらいでいいかな?」
「はい。いつもありがとうございます」
「いいのよ。魔法は減るもんじゃないしね」
あらわれた紫色の光がリームを包み込む。呪文の詠唱無しで魔法を使えるのは、魔法具に事前に呪文を織り込んでおくからだ。ティナが身につけている魔法具は呼び鈴と連動しているイヤリングくらいだから、たぶんとてつもなく複雑な魔法があのイヤリングには込められているのだろう。
リームの目の前が紫色の光でいっぱいになった次の瞬間には、すでに薄れつつある光の向こうには、ラングリーの塔が見えていた。

*                 *                  *

「待ってたぞ、リーム! 今日も弟子の心意気を教えてやろう!」
塔の入口を入ってすぐ、リームを出迎えたのは相変わらずやる気満々のミハレットだった。
やっぱり、いた・・・・・・。リームはうんざりしたため息をついた。もしかしたら初めてここに来たときのように、ミハレットが居ない日もあるのかもしれないと、淡い期待もいだいていたが無駄だったようだ。
なんとかミハレットと遭わないように日程を調節して魔法を教えてもらえないかとラングリーにも伝えたのだが、結局今逃げても問題は先延ばしになるばかりだろうと言われて、それは確かにその通りだったから納得せざるをえなかった。
逃げるのではなく、ちゃんと真正面から受けて立つしかないのだ。
魔法語教本はとりあえず1階の応接室に置いて、ミハレットに連れられるまま、リームは城内へ向かう。
「宮廷魔法士の弟子たるもの、それなりの知性と気品を兼ね備えてなければならない。まずは形からだ。リームの恰好は魔法士としてふさわしくない」
意気揚々と語るミハレット。リームは庶民は魔法士にふさわしくないと言われたように感じた。これだから貴族は。皮肉をこめて言った。
「魔法の力の前では、貴族も庶民もないんじゃなかったの?」
「貴族も庶民も関係なく、魔法士らしい格好すれば皆魔法士に見えるだろう? なにより、かっこいいじゃないか」
師匠であるラングリーと全く同じ黒のローブを着て、髪型まで似せてしまうミハレットは、
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